「菜の花畑に入日薄れ…」と唱歌にあるように、菜の花畑が広がる風景は、全国的に1960年代までごくごくありふれた春の風景でした。そしてそれは単に景色を演出する植物なのではなく、自然の循環と深く結びついた農業の象徴でした。
青森県横浜町は、陸奥湾と釜臥山を望む斜面に菜の花が咲く最高のロケーションが自慢です。5月の開花時期には全国から毎年数万人が訪れすっかり町の観光の主役になりましたが、菜の花は本来ジャガイモの裏作として栽培されてきた換金作物として輪作体系が維持されてきたものでした。最盛期750haあった畑も、2010年には100haになり、そのぶん耕作放棄地・荒廃農地が増加していました。つまり菜の花農家の皆さんなくして「菜の花の町よこはま」はないのです。
農業人口の減少や、安価な外国産菜種の影響で、減り続ける菜の花畑。そんな菜の花をなんとか守り育てようと立ち上がったのが、私たち「菜の花トラスト」です。